2019年8月25日日曜日

韓国は「張り子のトラ」を自覚して「そこそこ」にしておけばよかった


 韓国は8月22日に日韓のGSOMIA(軍事情報包括保護協定)を延長せず破棄することを明らかにした。これは、2016年に締結されたもので、互いの軍事情報を2国間だけに共有して保護しようというものだ。結果的には日米韓の3国の間で、特に北朝鮮のミサイル発射などの状況を把握するのに有意義だというものだった。
韓国は、最近の日本の態度(韓国への輸出に関するホワイト国という優遇措置を取りやめた)への反発(日本は信用できない)としてそのように決めたこと、そして、米国は了承しているなどと政府筋から表明していた。しかし、米国や日本はこれを破棄すると北朝鮮の動きを察知する能力に障害が出るとの懸念を表明していたことになっていたし、韓国がそう決定した後も米国はその決定に反対していたと表明している。少なくとも米韓の表明内容に不一致がある。
日本のマスコミは日米の公式的な表明をそのままその通りに信じており(あるいは、そのような振りをしている)、「朝鮮半島の安全保障に憂慮すべき状態で、日本はなんとか韓国に思い直すように働きかけるべきだ」という風な論評ばかりである。
以前からそうだが、日本のマスコミはどういう事案においても、各国の公式発表が真実だと受け取って、その後の報道や論評をしているようだが(公式見解自体の報道は妥当だが)、毎度本気にそう思っているとしたら、プロフェッショナルとは程遠い「痴呆状態」じゃあないかと思う。どの人物もどの国家も、あらゆる発言には意図が含まれていることが多いのだ。
 
さて、昨年12月に韓国海軍が海上自衛隊の哨戒機にレーダー照射するという大問題を起こし、それを咎めた日本に対して「嘘つき呼ばわり」という非常に失礼な逃げの虚偽態度を続けているが、この時点で、GSOMIAは日本の方から破棄の検討をすべきものだったはずだ。要するに、文政権の韓国は北朝鮮シンパの組織であるので、日本の軍事情報は韓国から北朝鮮に漏れるリスクが高過ぎる。日本の方から破棄を検討するべきなのだ。日本は韓国に言うべきこともするべきことも全然行っていないということに日本政府に怒りを感じる。現実には日本ではなくて韓国の方が破棄を決めてしまった。

ところが、日米の公式見解は額面通りには受け取れないという僕の希望的観測がある。本当のところは、日米両国にはかなり怪しくなった韓国が軍事的・情報的にリスキーな国になってしまったという共通認識が出来上がってしまっているのに違いないと思う。そして、米国は北朝鮮との直接のパイプができつつあるので、米国は少なくとも仮想敵国である北朝鮮と直接談判ができるようになっている。この方が、判りやすい。つまり、韓国の存在意義は米国にはもうあまりないのだと思われる。
韓国は米国がGSOMIAの破棄を本当は事後的に認めるだろうということを事前に信じる楽観的な習慣があったかもしれない。あるいは、米国との接触でそう思う余地を信じるような曖昧なコメントと受け取ったのだろう。日米は、自己中心的で利己主義的で直情的な韓国の方から協定の破棄の行動を起こさせて、日米両国は遺憾であるという表明をするというストーリーを書いて、その通りになった可能性を僕はみる。
ソウルのアメリカンスクールは最近までに閉鎖された。そこには米軍の子弟が通学していたのだ。米軍は韓国から引き上げるプランを実行し始めているようだ。

戦後の朝鮮半島に対する米国の行動には単純思考からは理解出来ないことが多い。そもそも朝鮮戦争は、時の米国国務大臣が「北が南に侵攻しても見逃すだろう」と受け取れるメッセージを発表して、その直後のタイミングで北朝鮮が南下侵攻してきて、朝鮮戦争が始まっている。そして、米国の(国連軍の)司令官であったマッカーサーが北の援軍の中共軍(人民解放軍というアイロニーのような自称をしている)を簡単に撃破する作戦を進言したが米本国が認めなかった。マッカーサーは北に原爆を落とそうとも主張したがトルーマンは許可しなかった。しかし、マッカーサーは原爆は別として、中国から朝鮮半島への補給路になっている河川の橋梁を爆破するという簡単な作戦を進言したが、トルーマン政権が許可しなかったのが摩訶不思議だ。そのために、莫大な数の米国の若い将兵が戦死してしまった。
米国は、朝鮮半島を共産国家との緩衝帯にするように目論んだように思われる。米国の民主党政権のスポンサーであった英国のシティーなどの金融資本の意向を受けていたとも言われている。その後、ソ連の崩壊による脅威の低下と中共の膨張による脅威の増大という一般情勢の変化が起きた。そして、北朝鮮だけでなく、そもそも韓国が近代国家としての内実がないということが、次第に明示されてきたことから、米国主導の南北朝鮮の統一シナリオが米国には描けなくなったと思われる。つまり、ドイツ統一よりもベトナム統一の方の可能性がより現実的になってきたということだ。そして、米国の現在の対中共戦略において、かつての戦争相手のベトナムは重要な協力国になりえている。金正恩とホーチミンとの道徳性には大きい違いがあるとしても、そういう当事国の国内の話は米国にとっては「しばしば知ったことではない」ということは米国の過去の対外政策が明らかにしている。米国の韓国疲れは限界を越した。

戦後の日本を再び強力な主権国家にならないように、日韓両国に常にトラブルがあって、日本の国力の疲弊が適当に存在するのが今までの米国にとってよかったのかもしれない。
つまり、米国にとって韓国という国は、共産国家との緩衝地帯としてと、日本の国力を制限する国としての、そういう意味合いの地域でしかなかったのだと思われる。そう考えてみると、最近までの日韓関係と米国の第三者的な態度を貫いてきたことが何となく分かるような気がする。
しかし、米国が中共は核心的な脅威であると認知した昨今、日米同盟の前提で、日本にもう少し影響力のある国家になってもらおうと米国が舵を切ったのではないかと思われる。日本も米国も面倒極まりない朝鮮半島やシナ大陸には直接関与することは控えて、日本海・東シナ海・南シナ海に中共からの防衛線を設定し直すことが賢明であると僕は思っており、日米両国もそのように思うようになっているという希望的観測をしている。
 そのうちに米国から日本の憲法九条の見直しへの圧力が始まると思うる。外圧があろうがなかろうが、軍隊の保有は独立国家としては当たり前至極のことだ。そういえば、明治維新の頃も米国の外圧で開国が起こった。

韓国は、昨年だったか、日本とのスワップを自分の方から「もう要らない」と延長せず破棄してくれた。これも腹立ちまぎれで後先を考えない韓国の性癖だ。このスワップはもともと日本側に全然メリットのない片務的なものだった。日本政府は韓国に悪態をつかれ続けてきて、実にお人好しといえるが、日本国民の資産の保護に対しては裏切り行為を続けてきたのだ。しかし、スワップがなくなった現在でも、韓国の銀行の決済に対して、日本の銀行の信用保証を与えているのだそうだ。これがなければ、世界の企業は韓国の銀行などと取引きしないことになるという。これも片務的なものだ。
そして、韓国の特定のメーカーは最近まで世界のシェアの先頭を走っていて、国民は自国を先進国と思っているようだが、もともとは労働力が安かったからの産業移転であったに過ぎなかったが、今でも実は「組み立て工場」でしかないのである。核心的な技術やノウハウの開発は米欧日のものに依存しているのでしかない。日本が部品や工作機械を利用させず、円によるウオンの保証をしなくなったら直ちに韓国経済は崩壊してしまう。それなのに、韓国政府だけでなくマスコミに発信できるこの国の人たちは日本に対して上から目線の悪態の限りをつくものだ。これが朝鮮半島の種族の精神構造なのである。そして、これに対して唯々諾々と良い人ぶることを守ることとの引き換えに、戦中にあって必死に日本民族として苦労した人々の名誉を守らないだけでなく、侮辱し続けているというのが大手マスコミを通じて大手を振っている日本人の精神構造なのである。

韓国は、反日教育を含む自国の歴史の捏造を止めて、自国の足らない点を真摯に見つめる機会があればよかったのに、自省も自制もなさ過ぎた。それ故、過去と同様に未来も難しいのではないかと思われる。
 昨年、朝鮮半島問題の専門家である西岡力氏が米国の安全保障の専門家から聞かされた内容は実に怖ろしいことであったそうだ。「我々がこの半島から撤収する時は、焦土化して引き上げる」。朝鮮戦争の直後での撤収であれば、爆弾を落としまくって将にこの通りのことを米国はしたであろう。現在は時代も変わったし、日本に原爆を落としたような非道はしにくい時代となっている。韓国の経済的なインフラを壊滅して去っていくということである。
 この半島の統一ということが物理的に可能になるには、現実的には韓国の経済・生活レベルが北朝鮮のそれに近付くことでしかありえないと思われるが、韓国の「焦土化」は米国にとっても北朝鮮にとっても、奇しくも共通した必要条件となる。現在、北朝鮮シンパの文在寅はそういう作業を確信的に進めているとして韓国の行動を眺めると、実に腑に落ちる気もする。そもそも、韓国は朝鮮戦争における当事者とは認められていないのだから(休戦協定の当事者でもない)、ずっと米国の傀儡政権なのであったので、文在寅の言動はそれなりに理解できる。

最近、「李承晩学堂」という韓国で活動している韓国人自身の歴史学者たちのグループ(李栄薫校長=ソウル大学校名誉教授)が、「韓国の正しい歴史」のような講座シリーズを公開している。日本でもユーチューブで一連の講義を視聴することが出来る(https://www.youtube.com/watch?v=zu3dMjzOgy4 20190703、 韓国の歴史 国民に知らされない真実1 反日種族主義を打破しようシリーズを始めるにあたって) 本当に、自国の将来を思っての韓国の愛国者なのだ。こういう人たちの主張が拡がっていけば、韓国の未来に明るさが見えてくるというものだが、まだまだ、こういう人々は身の危険を感じながらこういう発信をしているのだ。
その内容は、過去の史実に忠実であろうとの努力の成果であり、ほとんどが同意できる内容である。しかも、韓国人が朝鮮民族の将来を祈念しての心からの叫びであるので、僕たちの日本人が今までの韓国を批判するよりももっと深い真実の迫力がある。是非、多くの人がユーチューブを視聴してほしいものだ。
 ただ、李承晩初代大統領を尊敬しているこそのグループの名称であるが、これについては、僕は今のところ驚きと違和感を持っている。彼らの李承晩に対する尊敬の理由は「自主独立」の精神であることは共感できるが、それと表裏一体として、「反日」の精神に貫かれているからだ。この韓国の反日教育というものは、李承晩個人の方針でもあったが、実質上の権力者であったGHQがこの政権に指示ないし容認していたということも言われている。
李承晩が始めた反日の歴史捏造教育が、現在の韓国の不幸の大きな原因であることを考えると、「李承晩学堂」の悲しいような矛盾に内心気が滅入る。しかし、この「講座」では、過去からの日本のあり方に対して概ねは正当に評価している。それが真実であったから当然ではあるが、有難く思うのである。
今年7月、ジュネーブの国連シンポジウムの場で、いわゆる徴用工については、日本人の労働者と同じような扱いであったということを韓国人の大学の研究者である李宇衍氏が証言したという注目すべき報道があった(日本の大手マスコミは目立たないように報道している)。この講座では彼の講義も含まれている。彼は、国連から韓国に帰国してから暴漢に襲われているが幸い大事には至らなかった。

 李栄薫校長は最初の講義の中で、韓国の極めて大きい不具合を「嘘の文化」「種族主義」「反日主義と中国事大主義」だと看破して、これから決別しないと自国に未来はないと自国民に説いている。そして、彼は「崔南善先生が言うには、韓国は建国することにも失敗したし、亡びるのにも失敗した」と、自国民の胸に突き刺さるような言葉を敢えて述べている。こういう人たちがいることを思うと、朝鮮民族の将来が実りの多いものになって欲しいと心から願う気持ちになる。ただ、我々はそういう国になるまでは深入りはしてはならない。福沢諭吉の教訓を忘れないでおこう。

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